※机の上で取引に応じるか悩むネコ。
ボク「ダメもとで今回も何とかお願いしたい」
ネコ「……」
ボク「やっぱダメ? そこをひとつなんとか」
ネコ「……」
ボク「ふむふむ、確かに朝ご飯を抜くのは卑怯だよ。
でもね、これをしないと検査ができんのだよ」
ネコ「……」
そう、病院に行く前日はこんな交渉が毎回おこなわれる。
行きたくないネコはどーしても首を縦に振らない。
ボクとしてはここで納得してもらわないと、
病院から帰ってきたら2、3日無視されるのだ。
常に目は三角だし、もちろん返事もナシ、
少し遠くから睨んでは無言の圧力をかけてくる……。
そんな殺伐とした空気に、心はチクチクしだして、
仕事も進まなければ、ご飯もまずくなる。
もっと言ってしまえばボクは便秘になる。
なんとしてもそれだけはさけたい。
さらに交渉は続く。
ボク「そろそろ、なんとかなりませんかね。
病院から帰ってきたら例のブツ(缶詰)出すんで」
ネコ「……」
ボク「なるほど、そうですか。あいかわらずですね。
まぁ、今日は取りあえずこれで」
そういってスプーンでひとすくいした、
まぐろおかかを目の前に差し出す。
無言で食べ始めるネコ、にんまりする交渉人。
今回もなんとか無事に交渉成立。
明日は病院で歯石取り。