ボクは今も本を買うときはお店派です。書店員さんの書いたポップやイチ押しの棚をみたり「たまらなく奇抜」「よくわからんが、おもしろそう」と、ふだん手にしない本をあれこれみるのが好きなんです。ところが古本になるとお目当ての本を実店舗で探すと、空振りに終わるケースが多くてションボリしてしまうので最近は『日本の古本屋』で買っています。
先日、20数年前の本を読みたい衝動にかられて『日本の古本屋』で検索開始。その本は東京の高円寺と北海道の中標津(なかしべつ)の古本屋さんにありました。値段は中標津のお店が安いけど送料を含めると、どっこいどっこい。店舗情報をみると簡単な一文が添えられていました「ヒグマと昆布と牛に囲まれた古書店」。うむ、迷うことなく中標津のお店に注文。
中標津といえば北海道でもずいぶんと東。高円寺のお店に比べて多少、日数はかかるものの、北のはじっこから届くとおもうと、それだけでテンションが2倍から3倍、ネコじゃらしだと1時間半は本気でふれる勢いです。
3日後に中標津から届いた古本は『傷だらけの天使たち』(喜国雅彦)というギャグ漫画。そのなかの4コマまんが“子猫物語”を読みたくて購入したわけです。この話が小学生の頃にボクが経験したネコ初体験とよく似ていたので、たぶん頭にこびりついていたのでしょう。内容は交通事故に遭遇したネコのそばを女学生が……と、シニカルなストーリーで今読んでも胸がチクチクします。
ヒグマと昆布と牛に囲まれた古書店から届いた、傷だらけの天使たちの子猫物語に、胸がチクチクする独身のネコ男。ふむふむ、簡単にいうと、はるばる遠くからやって来た子猫の4コマ漫画に独男が胸をしめつけられたというわけですね。なるほど、いよいよ自分が心配になってきた。