宝島社から中国で発売される『かご猫・パート4』(写真:左)の見本が届きました。実はかご猫のシロくんはブログやユーチューブを通じて、中国にも多くのファンがいます。味のある丸顔から「猫叔(マオ シュウ=猫おじさん)」の愛称で親しまれています。2012年には北京で写真展が開催されるほどの人気ぶりです(日本でも写真展開催して欲しいですね)。また、東日本大震災のときには岩手県在住のシロくんを心配するファンがインターネット上(中国のマイクロブログ)に殺到したそうです。
中国での出版元は、吉林出版集团、北方妇女儿童出版社。定価は39.80元(1元16円で換算すると日本円で約636円)になります。本のサイズは日本版より、やや大きめの正方形で、本の内容は日本で発売した『のせ猫・パート1』(写真:下)と同じです。しかし、そこは中国の編集者の方も日本版をそのまま転載することなく、中華圏用にアレンジを加えています。写真にポジフィルム風の枠をつけたり、イラストの地色を変えたり、日本版とはすこし違う調整をしています。中国の編集者の方があれこれ試行錯誤をした、熱量が随所に見られてうれしいですね。
ボクが『のせ猫』パート1を制作したときも、いろいろ試行錯誤しました。その調整のこまかさに、担当編集(既婚女性)さんが「男なのにこまかいですよね〜。もともと、タカハシさんはおばさんっぽいところありましたけど、もう性別とか抜きにしていうと、完全に姑です、姑。あっ、もちろんいい意味でですよ(笑)」と、遠回し風をよそおったストレートな物言いでディスられながら、姑サイドとしては、それほど気持ちを入れて制作したということですね。
中国版(簡体字)を読んでおもしろかったのが翻訳です。例えば「のせ猫ファミリー」は『頂物猫一族』と訳されています。シロの紹介文「おっとり穏やか、のせ猫ファミリーの大黒柱」は『文静温和的 頂物猫一族的大首領』で「山神様じゃ〜!」は『山神大人呀!』です。
なぜか全部漢字になると一気に不良性が増して、暴走族的な「夜露死苦」度数がグンとあがりますね。ボクは中国語がまったくわからないので、日本版を照らし合わせながら「ほっほ〜、こんな漢字になるんだ」と、最後まで楽しく読ませていただきました。
中国版のいいところは本のサイズが大きいので、写真も大きく、紙がなめらかな白色なので、より鮮明な写真になって『頂物猫一族』のかわいらしさがダイレクトに伝わってくるところです。中国版の良さをいかした、大判の『のせ猫』写真集とかおもしろそうですね。等身大のシロくんとかいいな〜。
ページをめくりながら、そんなことを、あーだこーだ想像しているボクのヒザの上には『のせ猫』ならぬ、普通に『のる猫』が……。とくに眠れる獅子でもないので、このまま朝まで眠っチャイナ。ああ、くだらないオチに心がペキンと折れそうだ。 −完−
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