広島から上京して初めてできた友達が「母ちゃんの体調が悪いから介護するわ」と先週、田舎の長崎に帰っていった。15年前にボクがとてつもなくフラフラしていた時期に、後輩が彼の働いている店に連れて行ってくれたのが友達になる切っ掛けだ。当時、彼の働いていた渋谷の古着屋に毎日夕方から入り浸っては、閉店後にレジカウンターでお酒を飲んで、どこかに遊びに行くのが日常だった。26歳で東京に出てきたボクを、毎週オシャレなクラブに連れて行ってくれたり、大切な友達をたくさん紹介してくれたり、たらふく飲み食いできるレセプションパーティーに毎度誘ってくれて、お金がなくても東京を楽しむ方法をいろいろ教えてくれた。

年齢が少し違うけど彼とは共通点も多かった。ボクが広島出身で彼は長崎出身。こんちくしょうなアトミックボムつながりだったり、彼のお婆ちゃんが地元で広島風のお好み焼き屋を昔していたとか、カフェレーサー系のバイクが好きなのもそうだし、いまだに好きなバンドがサイコビリーの「バットモービル」で、好きな映画は「クライベイビー」、ボクはその映画のヒロイン役、トレイシー・ローズが学生時代の裏アイドルだった。

ボクがこの仕事を始めてからは、初仕事の雑誌で彼が表紙を飾ったり、彼が働いていたショップや彼を何度も取材した。何よりボクが今も仲良くしてもらっている友達は、ほとんど彼が紹介してくれたナイスガイとナイスガールたち。そうそう、1番大事なことを忘れていた。これがウソのような本当の話で、彼の誕生日は2月22日、ニャンニャンニャン。恐ろしいほどのご縁というかネコの呪いというか……。

週末にそんな友達の新しい門出とご縁をしみじみ感じていたボクのもとに、新たなご縁がやってきた。我が家を就職先に選んだ新入社員くんは、2週間ほどの研修期間が終わると正式採用になる。終身雇用制度を貫く我が家に早く決まればいいが、それも勤続11年目になるベテランOLのパティがカギを握る。優しい指導で正社員の道をそっと後押しして欲しいところ。このご縁も長い付き合いになりそうな予感しかしない。

アディオス、アミーゴ！

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