新入社員の夜鳴きからはじまった深夜の餅つき大会。なんだったんだ3DAYS 。

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新入社員のジョージは、この世に生まれて約5ヵ月、ボランティアのおばさまに保護されて3週間、兄弟と別れて2週間、我が家に来て約1週間。このめまぐるしい環境の変化についていけないのか、就職先があまりにも予想と違ったのか、夜になると「ピィ、ピィ」と、ネコらしからぬバードのような鳴き声で夜鳴きをはじめた。

布団の中で徐々に大きくなる新入社員の夜鳴きを聞きながら、ネコ好き独身男の中に溢れるややこしい母性。さっそくボクは物置から寝袋を取り出して、社員寮(ゲージ)の前に敷いて寝ることにした。社員寮の正面扉に足を向けて、常にジョージの顔が見えるように寝る。これで寂しくないだろう思っていると、すぐに夜鳴きもおさまった。これでボクも眠れる。壁の時計を見ると深夜1時を過ぎていた。

横になってしばらく目を閉じていると徐々にフェードインしてくる「ピィ、ピィ」の鳴き声。寝たまま社員寮の方向に首だけ曲げると、消え入るような声で鳴くジョージ。再度、無駄にほとばしる独身男の母性。ボクは寝袋に入ったまま上体を起こして、くの字に体を曲げた状態でゲージの扉を開け、ジョージの名前を連呼しながら体をサッと撫でる。すぐに夜鳴きもおさまりホッとしたボクは曲げた体を伸ばして、また横になり眠る。数分後、またボクの体はくの字になっていた。また、その数分後、そのまた数分後も……。

鳴く、撫でる、鳴く、撫でるを繰り返していると、背後から「シャー」と威嚇する声。後ろを振りかえると目を三角にしたパティが座ってこちらを睨んでいる。別に悪いことをしているわけでもないのに「誤解だ、誤解だ」とボク。パティの威嚇に反応して「ピィ、ピィ」鳴くジョージ、名前を連呼しながらサッと撫でるボク、「シャー」の合いの手を入れるパティ。鳴く、サッと撫でる、合いの手という、まるで餅つきのような繰り返しを、何度も続けていると、さすがにジョージも疲れたのかようやく眠りについた。その次にパティが去り、取り残されたボクはもうろうとした意識の中で「この餅つき大会はなんだったんだ」と、ふと壁の時計を見ると朝6時……。

過酷な深夜の餅つき大会は次の日、その次の日も続き、3日目にしてようやく夜鳴きも終わり、無事に餅つき大会もフィナーレを向かえる。ボクのほうも無事に風邪をひいて、3日目にしてようやく布団で寝ることに。この深夜の餅つき大会、なんとしても第2回は全力で阻止したい!

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Date:2013/12/11 | Category: ベテランと新人 | Comments (0) |

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